Protein Research Communication

ニュースレターバックナンバー

No.2014.76 (2014年12月5日発行)
・分子構造から読み解く蛋白質活性:糖鎖と蛋白質
この度、自己免疫性末梢神経疾患について糖鎖の観点から発症機序の解明に取り組んでいる結城 伸泰 氏(シンガポール国立大学 医学部 内科 教授)をお招きしてセミナーを開催することとなりました。学生から研究者までどなたでもお気軽にご参加ください。

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蛋白質と生物物理 セミナー
「分子構造から読み解く蛋白質活性:糖鎖と蛋白質」

日時: 2014年12月9日(火) 15時より
講師:結城 伸泰(ゆうき のぶひろ)氏
シンガポール国立大学 医学部 内科 教授(生理学併任)

場所: 東京大学 先端科学技術研究センター 4号館
5階 516(セミナー室)
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/home/access/index_ja.html

【プログラム】
15:00-15:15 山下 雄己(東京大学)
「血圧調整酵素レニンの特異な活性を紐解く」

15:15-15:30 高岡 友裕(東京大学)
「イソプレノイド合成に関わる酵素IDI2内のフラビンのpKa」

【招待講演】
15:40-16:40 結城 伸泰(シンガポール国立大学)
「分子相同性による自己免疫性疾患の発症機序」

18:00- 懇親会

【概要】
これまで自己免疫病発症における分子相同性の研究は、ペプチドに対する自己反応性T細胞に主として目が向けられていたため、分子相同性仮説の立証には至らなかった。演者は、Campylobacter jejuni腸炎後に自己免疫性末梢神経疾患(ギラン・バレー症候群やフィッシャー症候群)の発症機序を解明すべく研究に取り組んできた。そして、糖脂質の糖鎖に対する自己抗体という別の着眼点から切り込むことにより、分子相同性仮説を完全に証明し、糖鎖相同性によって自己免疫病が発症しうることを示した。さらに、「感染微生物の遺伝子多型が、自己免疫病患者の臨床像まで規定してしまう」という、新しいパラダイム提出に至った。そうした研究の経緯を披露したい。

参考文献 
1) Yuki N. Hartung HP. Guillain-Barré syndrome. N Engl J Med 2012
2) Yuki N. Guillain-Barré syndrome and anti-ganglioside antibodies: a clinician-scientist's journey. Proc Jpn Acad Ser B Phys Biol Sci. 2012

参加費:無料
入退場:自由
事前登録:不要
懇親会:あり

問い合わせ先:石北 央、斉藤 圭亮
(東京大学 先端科学技術研究センター
/ 工学系研究科応用化学科)


編集委員長
胡桃坂 仁志
編集委員
茶谷 絵理 津本浩平 前仲 勝実


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